■袋にお入れしますか?■
コンビニで簡単な買い物をすると、「袋にお入れしますか?」とか「このままでよろしいですか?」って聞かれることが僕はよくある。誰にでもあるか。子供の頃あれがちょっと苦手だった。なんかソワソワしてたり声がヘンな風に出たり、自然なやりとりにならない。たいていの人は「あ、いいです」とかって軽くかつさりげなく適度に返事をしてるのに。
それはさておき、このやりとりをオファーとアクセプト的角度から眺めてみる。「このままでよろしいですか?」というのが、コンビニ店員のオファーになる。詳しく言うと、言葉のオファー。この提案をYESで受ける「あ、このままでいいです」とか「はい」がアクセプトになる。ちなみに、コンビニ店員が口には出さずとも「これだけだったら袋いらないとか言ってきそうだなー」とばかりにスローに袋を取り出していたらこれは身体のオファーという。何も言ってはいないけれど、オファーは出しているのですね。それを感じ取った客がそのオファーをアクセプトするなら「あ、袋いいです」となる。この、オファーに気がつくかどうか、は大きい。そういえば最近聴いた歌でこんな歌詞があった。
君が見せる仕草 ぼくにむけられてるサイン
もう何一つ見落とさない そんなことを考えている
めぐりあったすべての ものから送られるサイン
もう何一つ見逃さない そうやって暮らしていこう
『Sign』 桜井和寿(Mr.children)
■インプロとフリートーク■
さて、インプロは何でもあり。コンビニ店員が「いい天気ですねえ」というオファーを出したらその日はいい天気ということになるし、「あ、山田さんとこの奥さん、お久しぶりです」と言おうものなら言われた客側は山田さんの奥さんになってしまう。「わたし橋本ですけど」とか「は? 人違いじゃないですか?」などと相手のアイデアを否定することをブロックという。ブロックすると物語が展開しないので、インプロはアクセプトが基本。
漫才なんかで相方の言うことに「乗っかる」とかいうけど、ちょっと似てる。例えば客側がガリガリ君アイスを持っていって「これあっためてください」とボケたところに「かしこまりました。袋少し空けてもいいですか? ってオイッ」みたいなの。ノリツッコミ。
ただインプロではあまりそう言う意味でのボケは必要とされてないらしい。ダウンタウンの松ちゃんの発明したフリートークとインプロはけっこう似てるけど、何を創るのかと言うところで違う。インプロは物語を創る。フリートークは笑いそのものを創る。そのあたりが違うのかなと思う。少なくともファミマとセブンくらいには違う。
そのへんを差し引いて考えてみると、ボケはオファーで、ツッコミはオファー認識マシーンみたいなものか。あと、ブロックが多いところがインプロと対称的。そのわりにコミュニケーションが成り立ってるところを考えると、フリートークのフォーマットもすごい。
■ゲーム■
「セブンアップ」や「わたし・あなた」とかのゲームもオファーとアクセプトで成り立っている。
1、とカウントする人。これがオファー。それをアクセプトするから次の人は2、となる。あなた、と言われたのをアクセプトしたから、今度は自分がわたし・あなた、をオファーする。そしてアクセプトは同時にいつのまにか次のオファーになっている。さかのぼっていくと、そのオファーは実はその前のオファーをアクセプトしたもので、その前のオファーというのもその前の前のオファーのアクセプトで…ってことになってくる。
戯曲のメカニズムも同じらしい。ある出来事が別の出来事を引き起こす。アクションとリアクションの連続が、始めから終わりまでつながっている。ただ、ゲームほど単純でないのでわかりにくいけど。そうらしいです。
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